ご挨拶 辰巳流のご紹介

流祖辰巳屋惣兵衛について
辰巳流継承の経緯
辰巳流の踊りの特色
舞踊会はお祭り







毎年都内で家元主催の古典舞踊の会を、門下生は各地で古典舞踊と歌謡舞踊を織り交ぜた会を催して、勉強の場としています。

白百合女子大学国文学科に在籍中、諸先生方に古典文学の言葉の大切さや奥深さを教えて頂き、古典舞踊の歌詞の解釈法に興味を抱きました。振付者が歌詞をどれだけ深く読み取れるかが、重要なことであると改めて感じました。古典舞踊におきましても今までの古典曲に言葉の意味を大切に考証し振りをつけ直して新風を吹き込み、発表をさせていただいております。

さらに私達の舞踊感は、母方の祖父・宇井忠からも強く影響を受けています。

宇井忠は、明治41年(1908年)に生まれ、小山内薫氏が私財を投じて作った新劇のための築地小劇場の俳優養成所の第1回研究生となりました。新劇の技法、解釈等がまだ一般的に知られていないこの頃に学んだ知識を、一人娘である歌子に教え「古典舞踊だけの時代は終わった。これからは誰もが唄える歌謡曲に踊りをつけて5分間のドラマとして創り上げていくことが、時代の流れの先頭に立って行く方法だ」と言い、振付のアドバイスをし続けました。舞踊家としてだけでなく、振付師としても成功した歌子は、若柳和甫の芸名で長年、正派若柳流幹部として活躍し、後に若柳流同志会副代表となっております。

和甫の振付は新劇、新派、新国劇、歌舞伎の全てのエッセンスを取り入れ、古典舞踊の基礎を大切にしながら創り上げ、多くの方々から賞讃をいただきました。その和甫より振付を学び、私達もまた日本コロムビアを始めとして、各レコード会社より依頼を受け、多数の振付をしてまいりました。今日までに歌謡舞踊の振付だけでも、すでに2000曲を越えています。